イーサリアムの主要クライアント「Geth」のリード開発者であるペーテル・シラージ氏が、イーサリアム財団の中央集権的な意思決定構造と、ヴィタリック・ブテリン氏のプロトコルに対する強い影響力について公開で批判を行いました。
シラージ氏は公開書簡の中で、イーサリアム財団の組織構造が少数のグループ、特にブテリン氏を中心としたメンバーにプロジェクトの方向性が大きく左右されていると指摘。これにより、内部関係者によるプロトコルの支配(キャプチャ)が起こるリスクがあり、イーサリアムの分散型という理念が損なわれる可能性があると警鐘を鳴らしています。
また、シラージ氏は長期的に貢献してきた開発者たちが十分に評価されておらず、その結果としてコア開発者の役割が縮小し、外部での収入源を求める動きが出ていることも問題視しています。これはイーサリアムのガバナンスにおける影響力の集中に関するコミュニティ内の議論とも重なる内容です。
イーサリアム財団は非営利組織としてイーサリアムの開発を監督していますが、今回の指摘はその意思決定の中央集権化やコア開発者の報酬体系に関して内部からの批判が高まっていることを示しています。
ポイントまとめ
- イーサリアムのGethクライアントのリード開発者ペーテル・シラージ氏が、イーサリアム財団の中央集権的な構造とヴィタリック・ブテリン氏の強い影響力を公に批判。
- 現在のガバナンス体制は内部関係者によるプロトコル支配のリスクがあり、イーサリアムの分散型精神を損なう可能性があると警告。