Trezor Safe 7 が実現する量子耐性ウォレットの未来
みなさん、こんにちは。今回は、ハードウェアウォレットの大手ブランド Trezor が新たに発表した「Safe 7」についてご紹介します。
Trezor Safe 7 は「量子耐性」を備えた次世代ウォレット
Trezor は今週、新しいハードウェアウォレット「Safe 7」をリリースしました。この製品の最大の特徴は、「量子コンピュータ時代」に対応できる設計がなされている点です。Trezor の CTO、Tomáš Susanka 氏は、現在の暗号技術だけでなく、将来的に量子コンピュータによって破られる可能性のある暗号にも対応できるよう、ハイブリッドな署名方式を採用したブートローダーとアーキテクチャを搭載していると話しています。
量子コンピュータは、従来のコンピュータとは異なり「量子ビット(qubit)」を使い、複数の状態を同時に扱うことで非常に高速な計算を可能にします。これにより、現在の暗号技術の根幹である秘密鍵の保護が将来的に危うくなる可能性が指摘されています。
Safe 7 は、そうした未来のリスクに備えつつ、ユーザーが新しいデバイスに鍵を移す必要なくアップデートできる設計を目指しているとのことです。
現在の暗号資産のリスクとユーザーの動向
一方で、量子コンピュータの脅威はまだ先の話ですが、今まさに暗号資産を狙った犯罪は増加しています。ブロックチェーン分析企業 Chainalysis のデータによると、2025年上半期だけで約21億7,000万ドル(約2,900億円)が暗号資産サービスから盗まれています。特に今年2月に起きた北朝鮮関連の ByBit ハッキング事件は、史上最大の約15億ドルの被害となりました。
また、個人のウォレットが狙われるケースも増えており、今年盗まれた資金の23%以上が個人の秘密鍵やシードフレーズの漏洩によるものとされています。物理的な脅威も無視できず、フランスやシンガポールでは強盗や誘拐、盗撮による被害も報告されています。
Safe 7 の新機能とセキュリティ対策
Safe 7 には、Trezor が独自に開発したオープンソースのセキュアエレメント「TROPIC01」チップが搭載されています。これにより、従来のブラックボックス的なセキュリティチップとは異なり、透明性が高まりユーザーが信頼しやすくなっています。
さらに、Trezor の CTO はユーザーに対して、ハードウェアウォレットの利用、バックアップの確保、トランザクションのデバイス上での確認、最新のセキュリティ情報の収集、公式サポートのみを利用することの重要性を強調しています。これらの習慣があれば、デジタルだけでなく物理的な攻撃からも資産を守る助けになると述べています。
今回の Trezor Safe 7 は、未来の量子コンピュータによるリスクに備えつつ、今まさに増加している暗号資産の盗難被害に対しても強化されたセキュリティを提供しようという試みのようです。量子耐性を持つウォレットがどのように普及していくのか、そして現在のセキュリティ課題にどう対応していくのか、引き続きウォッチしていきたいですね!
