イーサリアム 新アップグレード Fusaka 解説
みなさん、こんにちは。
イーサリアムの新アップグレード「Fusaka」とは?
最近、イーサリアムのネットワークに「Fusaka」というアップグレードが導入されました。これまではイーサリアムの大きなアップデートは数年単位で行われることが多かったのですが、Fusakaは約半年という短期間で、しかも狙いを絞った効果の高い改善を実現した初めての例とされています。
このアップグレードの中心には「Peer Data Availability Sampling(PeerDAS)」という技術があり、これはイーサリアムのロールアップ(Layer 2 のスケーリング技術)が扱うデータの処理方法を変えるものです。具体的には、ノードが全てのデータをダウンロードするのではなく、ネットワーク全体に分散された小さなデータの断片だけを検証する仕組みで、これにより通信量やデータの重複が減り、全体としてより多くのデータを扱えるようになります。
Fusakaがもたらす技術的な変化
イーサリアムのロールアップは「ブロブ」と呼ばれるデータパッケージを使って、大量のオフチェーン取引データをメインチェーンに素早く安価に投稿しています。Fusaka以前は、このブロブの容量を変更するには大規模なハードフォークが必要でしたが、今回のアップグレードでは「ブロブパラメータのみ」の調整スケジュールが導入され、容量の増減をより柔軟に行えるようになりました。
また、レイヤー1(L1)とレイヤー2(L2)の間の手数料バランスも調整されました。L2はL1上で安価で信頼できるデータスペースを必要としますが、L1側もその提供に見合った報酬を得る必要があります。このバランス調整は、イーサリアムのロールアップ中心の未来にとって重要なポイントです。
ノード運用者への配慮と今後の展望
アップグレードによってデータ容量が増えると、ノードの運用に必要なスペックが上がり、小規模な運用者が市場から退出してしまう懸念もあります。そこでFusakaでは、一般的な消費者向けのハードウェアでも対応可能な範囲に収まるよう、テストネットでの十分な検証が行われています。
今回のFusakaアップグレードは、イーサリアムがこれまでの大規模で時間のかかるアップデートから、より迅速かつ狙いを絞った改善を繰り返す新しい開発スタイルに移行しつつあることを示す重要なマイルストーンと言えそうです。
引き続きウォッチしていきたいですね!
