2025年 MiCA対応の仮想通貨法務最前線
みなさん、こんにちは。今回は、国際的なビジネス構造や仮想通貨規制の変化に対応する法律事務所、Inteliumlaw のエレナ・サドフスカヤさんへのインタビューをもとに、彼女の経験や見解をわかりやすくお伝えします。
エレナさんの経験とInteliumlawのアプローチ
エレナさんは大学2年生の頃から法律実務に携わり、その後大手監査法人のアーンスト・アンド・ヤング(E&Y)で約4年間、多数の国際的な税務や取引構造の案件を担当しました。この経験が、複雑な国際ビジネスの法的ニーズを実践的に理解し、クライアントに合わせた柔軟な解決策を提供する力を養ったそうです。
Inteliumlawでは「不可能」や「未解決」という言葉は使わず、大小問わず企業の成長を支えるために高品質で迅速な対応を心がけています。特に国際的なビジネス構造のアドバイスに強みを持ち、クライアントのニーズに寄り添った長期的なパートナーシップを重視しています。
2025年の新サービスとMiCA規制への対応
2025年は規制の変化が激しく、InteliumlawはEUの新しい仮想通貨規制「MiCA」に対応したサービスを拡充しました。特に、ポーランドやチェコ、リトアニア、キプロスなどでのCASP(暗号資産サービスプロバイダー)ライセンス取得支援や、DAOの設立支援、UAEやエルサルバドルでのライセンス取得サポートが注目されています。
クライアントからの最も多い依頼は、CASPライセンスの取得とMiCAに準拠したトークンの発行・上場支援で、これらを一貫してサポートする体制が整っています。
規制とイノベーションの関係
多くの仮想通貨起業家は「規制がイノベーションを殺す」と感じることもありますが、エレナさんは規制はプロジェクトの信頼性を高め、市場での持続可能性を支える重要な枠組みだと考えています。ただし、規制が過度に厳しい場合は新しいプロジェクトの成長を妨げることもあるため、バランスが難しいとも述べています。
クライアント対応のポイントと最適なライセンス選び
新しい仮想通貨ビジネスが相談に来た際は、まず事業モデルの詳細を深く理解することから始めます。これは、オーダーメイドのスーツを作るために正確な採寸が必要なように、最適な法的解決策を提案するための基盤となります。
EUでのCASPライセンス取得に関しては、各国の規制環境や審査の厳しさを事前に分析し、クライアントの事業計画や予算に合わせて最適な国を提案しています。
MiCA規制の誤解とUAEの特徴
MiCA規制に関しては、旧来のVASPライセンスと新しいCASPライセンスの違いを理解せず、EU市場での適切な認可なしに事業を続けようとする企業が多いのが現状です。特にオフショア登録の企業は注意が必要です。
一方、UAEは規制を経済成長のチャンスと捉え、革新的かつ柔軟な規制環境を整備しています。これにより新しい技術や中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入も早く、欧米とは異なるアプローチで仮想通貨産業を推進しています。
理想の仮想通貨規制とリスク管理
理想の規制環境はUAEのイノベーション重視のモデルをベースにしつつ、許認可の手続きがもう少し簡素化されたものだとエレナさんは考えています。
また、非準拠で利益を上げるビジネスの最大のリスクは、単なる罰金やライセンス剥奪だけでなく、刑事事件に発展し経営者が逮捕されるケースもあること。これは業界全体にとって大きな警鐘となっています。
2026年の規制動向予測
2026年は特に欧州でMiCAの猶予期間が終了し、多くの企業が正式なCASPライセンスを取得するか市場から撤退する必要が出てきます。これにより業界の「大掃除」が進み、より厳格なコンプライアンスが求められるでしょう。
また、これまで規制が緩かったオフショア地域でも新たな規制導入が進み、DAOやオンチェーンガバナンスの法的認知も進むと予想されます。規制リスクは新法だけでなく、既存ルールの厳格な解釈や執行強化からも生じるため、企業はより慎重な対応が必要になりそうです。
今回のインタビューからは、規制を単なる障害と捉えるのではなく、戦略的な枠組みとして活用し、柔軟に適応することが仮想通貨ビジネスの持続的な成功につながるというメッセージが伝わってきました。今後もこうした動きを注視しながら、皆さんにわかりやすくお伝えしていきたいと思います。引き続きウォッチしていきたいですね!
