スタートアップの給与戦略 最新トレンド解説

みなさん、こんにちは。今回はスタートアップの給与戦略について、最近のテックカンファレンス「TechCrunch Disrupt 2025」で語られた内容をわかりやすくお伝えします。

大手テック企業との給与格差が拡大中

Meta や OpenAI のような大手企業が AI 人材に対して数百万ドルの年収を提示する中、スタートアップは大手と同じ水準の給与を出すのが難しくなっています。こうした状況で、スタートアップはどうやって優秀な人材を引きつけるべきかが議論されました。

スタートアップは大手と競争しなくていい?

Pulley の共同創業者兼 CEO、Yin Wu 氏は「スタートアップは大手と給与で競争する必要はない」と話しています。そもそも安定した大手企業とスタートアップでは、求める人材のタイプが違うという見方です。だからこそ、給与が劣っていても、スタートアップは「寛大で公平な」報酬パッケージを用意することが大切だと強調しました。

Wu 氏は特に「株式報酬(エクイティ)は思ったよりも多めに出すべき」と述べています。成功した会社の創業者は、後から「株を出しすぎた」と後悔することはあまりないという意見です。

報酬に対する明確な目標設定と責任の重要性

645 Ventures の人材責任者 Randi Jakubowitz 氏も同意見で、スタートアップが競争力のあるオファーを出す際には、採用する人に対して明確な目標を設定し、その達成度に応じて報酬を正当化することが重要だと話しています。特に株式の権利確定(ベスティング)に関しては、パフォーマンスが悪い場合は早めに対応しないと、権利が確定してしまい取り戻せなくなるリスクがあると指摘しました。

報酬戦略は最初から完璧でなくていい

パネルの専門家たちは、報酬や株式の戦略は最初から固めすぎる必要はないと話しています。大事なのは「公平さ」を保つこと。そうすれば、後から調整や変更をしても法的トラブルや社内の不和を避けやすくなります。

Pulley では、役職ごとに給与のレンジを設定し、どこに住んでいても同じ基準で報酬を決めています。また、株式報酬は業界の上位 10%に入る水準で提供しているそうです。こうした枠組みがあることで、会社の成長に合わせて株式の価値が変わっても、報酬の基準は一貫して保てるとのことです。

公平な報酬は法的リスク回避にもつながる

法律の専門家である Rebecca Lee Whiting 氏は、公平な報酬基準を設けることは、性別による不平等な給与を避けるなど、法的な問題を未然に防ぐ効果もあると指摘しています。特にカリフォルニア州のように性差別的な給与差別が違法とされている地域では重要なポイントです。

パネル全体としては、創業者が誠実な意図を持って報酬パッケージを作れば、後から調整しても問題ないという共通認識がありました。最初から完璧を目指すよりも、誰を採用したいのか、その人に何を期待するのかを考えながら柔軟に対応していくことが大切なようです。

今回の話を聞くと、スタートアップが大手と同じ土俵で給与競争をするのは現実的ではないものの、工夫次第で魅力的な報酬体系を作れる可能性があると感じます。特に株式報酬の設計や目標設定の明確化は、スタートアップの成長と人材確保において重要なポイントになりそうですね。引き続きウォッチしていきたいですね!