コードの中立性が拓く ブロックチェーンの未来

みなさん、こんにちは。今回は、ドイツのフランクフルトで開催されたシボス(Sibos)会議での最新の動きをもとに、ブロックチェーンとデジタル資産が金融の世界でどのように受け入れられ、今後どのように進化していくのかについてお話しします。

暗号資産の正当性はもはや議論の対象外

シボス会議では、暗号資産が金融のテーブルに「居場所があるかどうか」という議論は終わり、今は「銀行やネットワーク、プラットフォームがどのようにこの新しい世界に適応していくか」が焦点になっています。ブロックチェーンやデジタル資産はもはや実験的なものではなく、グローバル経済の基盤の一部として認識されているのです。

重要なのは「コードの中立性」

これまでブロックチェーン業界では「相互運用性」、つまり異なるブロックチェーン同士が連携できるかどうかが大きなテーマでした。しかし今、より根本的な課題として注目されているのが「コードの中立性」です。これは、特定の企業や投資家がシステムのルールを独占的にコントロールしたり変更したりできないようにすることを意味します。

コードが中立であれば、システムはオープンで信頼でき、長期的に安定して運用できる可能性が高まります。逆に、コードが一部の権力者に支配されていると、見た目は分散していても実質的には中央集権的なリスクを抱えることになります。

なぜ中立性が重要なのか?

過去の事例を見ても、特定の企業や創業者に依存したプロジェクトは、リーダーの交代や戦略の変更、政府の圧力などで簡単に崩れてしまうことが多いです。一方で、インターネットの基盤となる TCP/IP のような中立的でオープンなプロトコルは、誰でも自由に利用・改良できるため、数十年にわたって成長し続けています。

透明性が信頼を生む

金融は信頼の上に成り立っています。銀行や資産運用会社は、ブラックボックスのようなシステムに資金を預けることを嫌います。例えば、国際送金の仕組みである SWIFT はブランド力だけでなく、そのルールが世界中で共有され検証可能であることが信頼の源です。

同様に、ブロックチェーンもコードが中立でオープンであれば、ルールが透明で参加者全員の合意なしに変わることはありません。これがなければ、信頼は条件付きになってしまいます。

過去から学ぶこと

インターネットの成功は偶然ではありません。TCP/IP のような中立的なプロトコルがあったからこそ、多くの企業やイノベーションが共存し、成長できました。対照的に、AOL のような閉じたシステムは一時的に成功しても、オープンなウェブの前には長続きしませんでした。

ブロックチェーンも同じ選択を迫られています。グローバルな金融や貿易を支えるには、誰も所有せず、みんなが信頼できる中立的なコードが必要になるでしょう。

これからの道筋

単一の支配者がいるネットワークは脆弱です。中立的なシステムはガバナンスが多くの手に分散されているため、リーダー交代や規制の変化、市場のショックにも耐えられます。これは理想論ではなく、数兆ドル規模の資産を扱うシステムにとって実務的な要件です。

アメリカの CLARITY 法案のように、規制も成熟したブロックチェーンとは単一支配点がないことを重視し、真の分散化を示せるプロジェクトに明確なルールを与えようとしています。コードの中立性はその証明の一つとなるでしょう。

まとめ

これまでの相互運用性はブロックチェーン同士をつなぐ役割を果たしましたが、これからはコードの中立性が長期的な信頼と持続性を支える新たな基準になりそうです。中立的なコードがあってこそ、分散化は単なるスローガンではなく、実際に機能するものになるのです。

金融の未来は、特定の企業がルールを独占するシステムではなく、ルールがオープンで透明、そしてみんなで共有されるシステムによって形作られていくでしょう。コードの中立性は、そのビジョンを現実にするための鍵となりそうです。

今回の内容は、Hedera の COO である Shyam Nagarajan 氏と Linux Foundation の Decentralized Technologies 部門の General Manager、Daniela Barbosa 氏による共同執筆の記事を参考にまとめました。

個人的には、ブロックチェーンの未来を考えるうえで「コードの中立性」という視点は非常に重要だと感じます。単に技術をつなげるだけでなく、その基盤となるルールが誰のものでもなく、みんなで守っていくものになることが、これからの信頼と成長のカギになりそうですね。引き続きウォッチしていきたいですね!