ビットコインの価格が一時10万3,660ドルまで下落した後、再び11万ドル台を回復しています。週末にかけてマクロ経済の不安がやや和らいだこともあり、アナリストの中には「底打ちしたのでは?」と見る声も出てきているようです。
- ビットコインは11万ドルを回復し、市場全体の時価総額も3.8兆ドルを超えました。
- 一部のアナリストは「底打ち」と見て、今後の上昇を予想しています。
- 一方で、10万ドルを割り込むさらなる調整を警戒する声もあります。
crypto.newsのデータによると、ビットコインは過去24時間で約3.1%上昇し、10万7,000ドルをサポートに変えて11万ドル台に戻っています。この動きにより、アルトコインも含めた仮想通貨市場全体が持ち直しているようです。
今回の反発の背景には、全体的な急落を受けて「押し目買い」が入ったことがあると見られています。特にアルトコインは月間高値から20%以上下落したものも多く、割安感が出てきたのかもしれません。
また、米中の貿易摩擦が今後緩和するのでは、という期待感も市場の雰囲気を明るくしているようです。今月末にはAPECサミットで米中首脳会談が予定されており、その前段階として財務長官同士の会談も行われる見通しです。
もし米中関係の緊張が和らげば、仮想通貨だけでなく株式市場などにもプラス材料になると考えられています。地政学リスクが落ち着けば、インフレ圧力も和らぎ、米連邦準備制度(FRB)が金融緩和に動きやすくなる可能性も指摘されています。
FRBのパウエル議長も最近の発言で「量的引き締めの終了が近いかも」といったトーンを示しており、今後さらに利下げがあるかもしれないという見方も出ています。
アナリストの見方は?
ビットコインが11万ドルを回復したことで、「今回の下落は底を打った」と考えるアナリストもいます。例えばCryptoPulseというトレーダーは「10万4,000ドルが今回の明確な底」とし、今後は15万ドルを目指す動きが出てくるのではと予想しています。
また、FriedrichBtcというアナリストも、ビットコインのRSI(相対力指数)が売られすぎの水準まで下がった直後に反発したことから、13万5,000ドルが次の注目ポイントになると見ているようです。
両者とも「今のうちに仕込んでおくのが良いかも」といったニュアンスで発信しており、チャート的にも「高値・安値が切り上がる形(トレンド転換)」が見られるとしています。もしマクロ環境が大きく崩れなければ、12万ドル、13万ドル台を経て、最終的に15万ドルを目指す展開もあり得るという見方です。
ただし、全員が強気というわけではありません。Captain Faibikというアナリストは「短期的には強気に見えるが、全体の流れはまだ不安定」と警戒感を示しています。特に「上昇ウェッジ」というパターンがチャート上で見られ、これは過去の傾向から下落に転じやすい形だと指摘しています。
Faibik氏は「今はまだ強気派が優勢だが、ビットコインの上昇相場は終わりつつあり、遅れて買った人が高値掴みになるリスクもある」とコメントしています。
このように、ビットコインの今後については強気・弱気の両方の意見があり、どちらに転ぶかは今後のマクロ経済や米中関係の動向次第という雰囲気です。投資判断は慎重に行う必要がありそうですね。