タイで摘発! 約30億円の ビットコイン マイニング機器押収事件

みなさん、こんにちは。今回はタイで起きたビットコインマイニングに関する大きな摘発事件についてお話しします。

タイ当局が約8.6百万ドル相当のビットコインマイニング機器を押収

タイの特別捜査局が、ミャンマーを拠点に活動する「中国系の国際詐欺ネットワーク」と関連が疑われる7つのビットコインマイニング施設を摘発し、約8.6百万ドル(約30億バーツ)相当のマイニング機器を押収しました。押収された機器は3,642台にのぼり、そのうち約7.7百万ドル分がマイニング用のリグ、約86万ドル分が電気設備とのことです。

これらのマイニング施設は、防音コンテナに水冷システムを備えた高度な設備で運営されており、電力の不正使用や資金洗浄に利用されていると見られています。特に、盗電した電力を使ってマイニングを行い、詐欺で得た資金を「クリーンな」新規発行コインに変換することで資金洗浄をしている可能性が指摘されています。

広がる東南アジアの暗号資産関連犯罪

専門家によると、この摘発は東南アジア全域に広がる国際的な詐欺インフラの一部であり、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイなど複数の国にまたがるフランチャイズ型の犯罪組織が関与しているとされています。これらの組織は、強制労働詐欺の拠点を運営するだけでなく、データセンターやマイニング施設などの物理的インフラにも投資し、犯罪活動の耐久性を高めているとのことです。

また、こうした犯罪組織はシェル企業や名義貸し役員を使ってマイニング施設を隠蔽しているため、どのコインが正当なものか見分けるのが非常に難しい状況だと指摘されています。

地域全体での電力窃盗問題と国際的な対応

タイの摘発は、東南アジアで増加する暗号資産関連の電力窃盗問題への対応の一環です。マレーシアでは過去5年間で約11億ドル相当の電力が違法なマイニングにより盗まれていると報告されており、当局はドローンや熱感知センサーを使って摘発を強化しています。

国連薬物犯罪事務所(UNODC)も、東南アジアの国際犯罪組織が違法な暗号資産マイニングを使って数十億ドル規模の資金洗浄を行っていると警告しています。さらに、インターポールは詐欺拠点ネットワークを国際的な犯罪脅威として位置づけています。

アメリカでも先月、ワシントンD.C.の司法長官が中国系犯罪組織による暗号資産詐欺を標的とした「スキャムセンターストライクフォース」を発足させるなど、国際的な取り締まりが進んでいます。

今後の展望

専門家は摘発が進むにつれて、マイニング機器はより遠隔地や国境を越えた場所に移動し、犯罪組織の活動はさらに巧妙化すると予想しています。重要なのは単に機器を押収するだけでなく、犯罪のビジネスモデル自体に打撃を与えられるかどうかだと指摘しています。

今回の事件は、暗号資産のマイニングが単なる技術的な作業ではなく、国際的なサイバー犯罪や資金洗浄の重要なインフラとして利用されている現状を示しているようです。こうした動きは今後も注視が必要で、私たちも引き続きウォッチしていきたいですね!