予測市場の危険性と金融アプリの未来戦略

みなさん、こんにちは。今回は、金融プラットフォームが予測市場(Prediction Markets)を積極的に取り入れていることについて、ベンチャーキャピタルの Inversion Capital 創業者兼 CEO、サンティアゴ・ロエル・サントス氏の意見を紹介します。

予測市場の導入がもたらす「カジノ化」とユーザー離脱の加速

サントス氏は、予測市場のアイデア自体には賛同しているものの、Robinhood のようなメインストリームの金融アプリにこれを組み込むことは、ユーザーのアカウントが清算されるリスクを高め、結果的にユーザーの離脱を加速させると指摘しています。彼は「カジノのような商品で問題なのは、ユーザーがお金を失うことではなく、カジノがユーザーの離脱を早めてしまうことだ」と述べています。

つまり、カジノに長くいるほど清算される可能性が高まり、清算されるとゲームから完全に退出することになるため、離脱したユーザーは価値がゼロになってしまうというわけです。

Robinhood や Coinbase、Gemini の動きとその影響

Robinhood は 2025 年にかけて予測市場への注力を強めており、Coinbase や Gemini もスポーツや政治などのイベントに賭けることができる類似のサービスを提供予定です。これらのサービスは一見魅力的ですが、サントス氏は「こうした商品はアプリの本来の目的である、リテールユーザー向けの使いやすい金融サービスの提供に悪影響を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

彼によると、Robinhood の成功は「シンプルでアクセスしやすく、デジタルネイティブであること」にありましたが、ユーザーは年齢とともに変化するため、長期的にはユーザーの金融生活全体に寄り添い、より多くのサービスを提供していくことが重要だと考えています。つまり、投機的なピーク時に利益を最大化するのではなく、持続可能な成長を目指すべきだということです。

長期的な視点での金融スーパーアプリの戦略

サントス氏は、予測市場は短期的には収益を上げるかもしれませんが、ユーザーのリスクを高めて不安定化させるため、長期的には脆弱な要素になると見ています。彼は「ユーザーの離脱をリスクとして真剣に捉える金融スーパーアプリは、より強固な競争優位性を築き、長期的に良い結果を得られるだろう」と述べています。

また、彼がもし経営者の立場なら、ユーザーが金融的に成熟する過程で自然に求めるクレジットカードや保険、貯蓄商品などの「地味だけど効果的な」商品に注力するだろうとも語っています。これらは家計の流動性管理に密接に関連しており、ユーザーとの関係を深めるのに適しているということです。

2024 年の米国選挙をきっかけに、ブロックチェーンベースの予測市場は急速に普及しましたが、こうした動きが金融アプリの未来にどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。

個人的には、予測市場のような刺激的なサービスは一時的にユーザーの関心を引くかもしれませんが、長く使い続けてもらうためには、やはり日常的な金融ニーズに応える地道なサービスの充実が欠かせないのかなと感じました。引き続きウォッチしていきたいですね!