ビットコイン 12 月に反転期待の理由とは?

みなさん、こんにちは。今回は Coinbase Institutional が発表した最新の月次レポートについてお話しします。11 月のビットコインの動きが弱かったことを受けて、12 月には市場の反転が期待できるかもしれない、という内容です。

11 月のビットコインの動きと市場環境

レポートによると、11 月のビットコインは 90 日間の平均から 3 標準偏差以上も下回るパフォーマンスとなり、米国株式市場の下落幅(約 1 標準偏差)よりも大きく落ち込みました。これはビットコインが相対的に弱かったことを示しています。

また、暗号資産市場にはいくつかの課題も見られました。例えば、現物のビットコイン ETF への資金流入がマイナスに転じ、11 月は過去最大の累積流出を記録。ステーブルコインの供給も減少し、2023 年以降で最も弱い 30 日間の動きとなっています。さらに、長期保有者がコインを売却する動きもあり、デジタル資産のトレジャリー商品は 2024 年に入って初めて純資産価値を下回る取引が見られました。

経済の「K 字回復」と暗号資産市場

レポートでは、人工知能の普及による雇用の変化が企業利益を押し上げる一方で、個人の収入の安定性を損なう「K 字型回復」への懸念も触れられています。ただし、現時点でこの傾向が暗号資産市場に大きな影響を与えている証拠は弱いとされています。

一方で、資金が市場から一時的に離れている状態(サイドライン資金)が、金融市場の安定化に伴いビットコインなどの規制された投資商品に流入する可能性があると指摘。完全な市場安定には数か月かかる見込みで、12 月に連邦準備制度(Fed)が利下げを行えば、資金流入が加速し反転のきっかけになるかもしれないとしています。

なぜジェームズ・ラヴィッシュ氏はビットコインに強気なのか?

元ヘッジファンドマネージャーのジェームズ・ラヴィッシュ氏は、過去 16 年間で Fed が市場に約 8.8 兆ドルの流動性を供給し、一方で引き上げたのは約 3.2 兆ドルに過ぎないと指摘しています。つまり、Fed はドルの価値を希薄化させる政策を続けており、これに対して彼は弱気(ベア)だといいます。

そのため、ラヴィッシュ氏は「ビットコインはドルの価値低下を捉えている」として、ビットコインに強気の姿勢を示しています。実際、最近 Fed は銀行システムに流動性を注入しており、これは 2020 年のパンデミック以降で 2 番目に大きな動きとなっています。

今回のレポートは、11 月のビットコインの不調を踏まえつつも、12 月以降の市場環境の変化に期待を寄せている印象です。特に Fed の政策動向が鍵を握っているようですね。今後の動きに注目しつつ、引き続きウォッチしていきたいですね!