Venice が切り拓く AI 時代の権限管理革命
みなさん、こんにちは。今日はインターネット上で増えている「権限管理」の問題について、そしてその課題に挑む新興スタートアップ「Venice(ヴェニス)」の話をお伝えします。
インターネットの「権限問題」と新たな挑戦者 Venice
今のインターネットは、チャットボットや AI エージェントなどの非人間的な存在が増えたことで、彼らに適切なアクセス権や認証情報を与える必要が高まっています。これに対応する「アイデンティティ・アクセス管理(IAM)」の分野は、ベンチャーキャピタルから多くの資金を集めている注目の市場です。
そんな中、イスラエルとアメリカを拠点にする35人規模のスタートアップ「Venice」が、すでにフォーチュン500企業で大手の CyberArk や Okta に代わる存在として台頭していると話題になっています。
Venice の特徴と創業者の背景
Venice は設立から約2年で、2025年12月にシリーズ A で2000万ドルの資金調達を実施。IVP がリードし、以前のシードラウンドを率いた Index Ventures も参加しています。
多くの競合がクラウド環境に特化しているのに対し、Venice はクラウドとオンプレミス(自社運用サーバー)の両方をカバー。これにより、レガシーシステムと最新クラウドを併用する大企業に強みを持っています。
CEO のローテム・ルリエ氏は、イスラエルのエリート情報部隊「Unit 8200」での経験や、Microsoft や Axis Security でのプロダクトマネージャー経験を持つ若きリーダー。彼女のキャリアは、VC が求める理想的な起業家像に合致していると言われています。
Venice の技術的アプローチと市場での優位性
従来の特権アクセス管理は CyberArk が長く市場を支配してきましたが、Venice は複雑なハイブリッド IT 環境に対応できる深く包括的な技術を目指しています。多くの企業では10種類ほどのツールを使い分けているアクセス管理を、Venice は一つのプラットフォームに統合し、オンプレミス、SaaS、クラウドのすべてをカバー。人間だけでなく AI エージェントなど非人間のアクセスも管理可能です。
また、AI を活用した自動化により、導入期間を従来の6ヶ月から2年に比べて、わずか1週間半に短縮できる点も大きな強みです。これにより、コンサルティング費用や長期の導入作業にかかるコストを大幅に削減しています。
今後の展望と業界の動向
Venice はすでにフォーチュン500や1000の企業でレガシー製品を置き換え始めており、170年以上の歴史を持つ製造業大手やグローバルな音楽企業も顧客に含まれているとのことです。
投資家の IVP パートナー、キャック・ウィルヘルム氏は、AI エージェントの普及がこの分野の重要性をさらに高めていると指摘。従来の静的なアクセス管理では対応しきれず、「個人とその瞬間に限定した権限付与」が求められていると語っています。
市場規模も拡大傾向にあり、2025年のアイデンティティ・アクセス管理の支出は240億ドルを超え、前年比13%増と予測されています。
多様性とチーム構成
Venice のチームはイスラエルの研究開発拠点と北米の営業チームに分かれており、約半数が女性という珍しい構成です。ルリエ氏自身も「これまでずっと『唯一の女性』だった」と語り、女性が活躍できる環境づくりが自然と人材を引き寄せているようです。
まとめ
Venice はまだ若いスタートアップですが、既存の大手を脅かす存在として注目されています。AI 時代の新しいアクセス管理のニーズに応え、導入の手軽さや包括的な対応力で差別化を図っている点がポイントです。今後、競合他社との競争や市場の統合がどう進むのか、非常に興味深いところですね。
引き続きウォッチしていきたいですね!
