IMF報告でわかる ステーブルコインの金融影響
みなさん、こんにちは。今回は国際通貨基金(IMF)が発表したレポートをもとに、ステーブルコインが中央銀行の金融政策に与える影響についてわかりやすく解説します。
ステーブルコインがもたらす金融政策への影響
IMFの56ページにわたる報告書によると、ステーブルコインは個人の金融サービスへのアクセスを広げる可能性がある一方で、中央銀行の金融政策の効果を弱めるリスクも指摘されています。特に「通貨代替(currency substitution)」という現象に注目しており、これはステーブルコインが国内通貨の代わりに使われることで、その国の金融主権が徐々に損なわれる可能性があるというものです。
従来、米ドルを使いたい場合は現金を持つか特定の銀行口座を開設する必要がありましたが、ステーブルコインはインターネットやスマートフォンを通じて急速に経済圏に浸透できるため、より広範囲に影響を及ぼす可能性があるとIMFは述べています。
ドル建てステーブルコインの圧倒的なシェア
現在、ステーブルコイン市場の約97%は米ドルに連動しており、総額は約3110億ドルに達しています。ユーロ建てや日本円建てのステーブルコインはまだ少数派で、それぞれ数億ドル程度にとどまっています。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)との競合
IMFは、もしドル建てのステーブルコインが決済サービスを通じて広く使われるようになると、各国の中央銀行が発行するCBDCが競争で不利になる可能性があると指摘しています。CBDCは中央銀行が直接発行・管理するデジタル通貨であり、プライベートなステーブルコインとは異なります。
地域別の動向と政策提言
アフリカ、中東、ラテンアメリカ、カリブ海地域では、ステーブルコインの保有が増加しており、これは高インフレなど経済の不安定さから安定を求める動きの一環とも考えられています。
IMFは、各国がデジタル資産を法定通貨や公式通貨として認めない枠組みを整備することを推奨しています。これにより、国民がデジタル資産の支払いを拒否できる権利を保持し、金融主権を守る狙いがあります。
欧州中央銀行(ECB)や米国の動き
欧州中央銀行もドル建てステーブルコインのリスクを警告しており、銀行の預金流出や資金調達の不安定化を懸念しています。一方、米国では今年ステーブルコインに関する法整備が進み、財務長官はこれにより政府債務の需要が高まり、借入コストの低減や新たなユーザーの参入が期待できると述べています。
ステーブルコインは便利でアクセスしやすい反面、各国の金融政策や経済の安定性に影響を与える可能性があるため、今後の動向を注視する必要がありそうです。引き続きウォッチしていきたいですね!
