DTCC の トークン化証券 最新動向まとめ

みなさん、こんにちは。今回は、アメリカの大手証券決済機関である DTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)が進めているトークン化証券の取り組みについてお話しします。

DTCCのトークン化証券のビジョンと特徴

DTCCは、1日に約10兆ドルもの証券取引を処理している巨大な金融インフラ企業ですが、トークン化証券の展開にあたっては特定のブロックチェーンに縛られず、相互運用性(インターロパビリティ)を重視しているそうです。つまり、異なるブロックチェーン間でデジタル資産がスムーズに移動できる環境を目指しているとのこと。

DTCCのデジタル資産部門の責任者、ナディーン・チャカル氏は「壁で囲まれた庭(walled garden)を作るつもりはない」と明言し、リスクやコストを抑えつつ、複数のチェーン間での資産移動を可能にしたいと話しています。

最初の発行はCanton Networkで

DTCCはまず、金融機関向けに設計された許可制のブロックチェーン「Canton Network」でトークン化証券を発行する計画です。このネットワークは透明性の高いパブリックチェーンとは異なり、ユーザーのアクセスや取引の検証が招待制で管理されているのが特徴です。

また、Ethereum互換の許可制ネットワーク「AppChain」でもトークン化証券を提供する予定があるそうです。

ネイティブトークンではないことへの議論

一部では、DTCCのトークン化証券は既存の証券に紐づく「クレーム(権利証)」であり、ブロックチェーン上で直接発行されるネイティブなトークンではないため、効率性の面で疑問視する声もあります。つまり、トークンを持っていても実際の株式の所有権はDTCCの関連会社が持っているという構造です。

この点については、伝統的な証券市場が許可制であることを踏まえ、資産運用会社のフランクリン・テンプルトンのデジタル資産責任者は「証券ビジネスはそもそも許可制である」とコメントしています。

今後の展望と注意点

DTCCは今後も複数のブロックチェーンと連携し、顧客に選択肢を提供したいと考えているようです。ただし、北朝鮮による大規模なサイバー攻撃など、デジタル資産のリスクも念頭に置きながら慎重に進めているとのこと。

また、各ブロックチェーンの特性やセキュリティ、顧客のニーズを評価基準にして拡大を検討していくそうです。

今回のDTCCの動きは、伝統的な金融機関がブロックチェーン技術を取り入れつつも、既存の規制やリスク管理を重視していることがよくわかります。ネイティブトークンではないという点は、クリプトネイティブの方々には物足りなく感じるかもしれませんが、金融市場の現実的な事情を反映しているとも言えそうです。

引き続きウォッチしていきたいですね!