AI バブル崩壊? マイケル・バリーの Nvidia 空売り戦争
みなさん、こんにちは。今回は、AI ブームの中心にいる半導体大手の Nvidia に対して、あの「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でクリスチャン・ベールが演じたことで有名な投資家、マイケル・バリー氏が強烈な逆張りを仕掛けている話題をお届けします。
マイケル・バリー氏が Nvidia に仕掛ける「空売り戦争」
感謝祭の間に多くの人が休んでいる中、バリー氏は Nvidia に対してますます攻撃的な空売りを展開しています。彼は AI バブルの崩壊を予測しており、単なる警告にとどまらず、自身の影響力と規制の枠外にいる自由を活かして、実際に市場の動きを引き起こす可能性がある点が注目されています。
バリー氏は Nvidia を「裸の王様」として批判し、AI ブームの過熱感に疑問を投げかけています。彼の主張は、Nvidia の株式報酬が株主に大きな負担をかけていることや、AI 関連企業が設備の減価償却を遅らせて実態を誤魔化している可能性があること、さらには顧客の需要自体が循環的な資金調達に支えられた幻影ではないかというものです。
市場と Nvidia の反応、そしてバリー氏の反論
こうしたバリー氏の指摘を受けて、Nvidia は先週の好調な決算発表にもかかわらず、ウォール街のアナリスト向けに7ページにわたる反論メモを送付しました。Nvidia はバリー氏の計算ミスを指摘し、従業員報酬は業界水準と整合していると主張。また、同社は「Enron(エンロン)」のような不正企業ではないと強調しています。
これに対しバリー氏は、Nvidia をエンロンと比較したわけではなく、1990年代後半のシスコのように、過剰投資が明らかになった際に株価が大暴落した例に似ていると返答しています。
バリー氏の過去と現在の動き
バリー氏は2008年の住宅バブル崩壊を的中させたことで有名ですが、その後は多くの悲観的予測を続けており、批判的な声も多い「パーマベア(常に弱気)」のレッテルも貼られています。最近では、投資会社の登録を解除し、規制やコンプライアンスの制約から解放されることで、より自由に発信できる環境を手に入れました。
さらに、彼は新たにサブスタックのニュースレター「Cassandra Unchained」を立ち上げ、AI 産業全体に対する分析と批判を展開しています。開始からわずか1週間で9万人の購読者を集めており、その影響力は無視できないものとなっています。
市場への影響と今後の展望
歴史的に見ても、ジム・チャノスやデビッド・アインホーンのような著名な空売り投資家が問題を指摘することで、市場の信頼が揺らぎ、結果的に企業の崩壊を加速させた例はあります。バリー氏も必ずしも全ての指摘が正しい必要はなく、投資家の心理に影響を与え、売りを誘発できれば彼の予測は現実のものとなるかもしれません。
一方で、Nvidia は2023年初頭から株価が12倍に跳ね上がり、時価総額は現在4.5兆ドルに達しています。AI 時代の最重要企業としての地位を築いており、崩壊が起きるかどうかはまだ不透明です。
個人的には、バリー氏の動きは単なる市場の騒ぎ以上の意味を持つ可能性があると感じます。彼の過去の実績と新たな発信力、そして急速に増える支持者の存在は、AI バブルの行方を占う上で見逃せないポイントでしょう。引き続きウォッチしていきたいですね!
