予測市場 急成長の裏側と課題を解説
みなさん、こんにちは。今回は、予測市場(prediction markets)の急成長とその裏に潜む課題について、ブロックチェーンセキュリティ企業の CertiK が発表した最新レポートをわかりやすく解説します。
予測市場の取引量が4倍に急増
CertiK のレポートによると、2024年の予測市場の年間取引量は約158億ドルでしたが、2025年には約635億ドルと4倍に増加しました。この成長は主に Kalshi、Polymarket、Opinion の3つのプラットフォームに取引が集中していることが背景にあります。
ただし、この急激な取引量の増加は、自然な需要の拡大というよりは、インセンティブ(報酬)や特定イベントに伴う一時的な取引の活発化によるものと見られており、補助金や報酬がなくなった後の持続性には疑問が残ります。
取引量の水増しと価格への影響
特に Polymarket では、2024年に「ウォッシュトレード(自作自演の取引)」が取引量の約60%に達したとの研究も引用されています。これは、トレーダーが報酬を得るために自分同士で取引を繰り返す行為で、実際の市場活動よりも取引量を膨らませるものです。
しかし、CertiK はこのような取引の水増しが価格形成に大きな歪みを与えている証拠はまだ見つかっていないと指摘しています。価格は概ね信頼できる状態を保っているものの、今後、特に流動性の低い市場では、より巧妙なトレーダーの参入で価格操作のリスクが高まる可能性があると警告しています。
セキュリティ面の課題
予測市場の急成長に伴い、セキュリティの脆弱性も浮き彫りになっています。多くのプラットフォームは Web2 と Web3 の技術を組み合わせており、利便性と透明性を両立させていますが、その分、攻撃対象が増えてしまうという問題があります。
実際、2025年12月には Polymarket が利用するサードパーティのログインサービス「Magic Labs」の認証フローに脆弱性が見つかり、二段階認証を回避されてユーザーアカウントが乗っ取られる事件が発生しました。スマートコントラクト自体は安全でも、認証部分の弱さが資金リスクにつながる例です。
CertiK は、プラットフォーム全体のセキュリティを一体的に監査・強化する必要性を強調しています。
今後の展望と規制の影響
2026年に向けて、予測市場はインフラの整備や米国連邦レベルでの規制の明確化が進む一方で、州ごとの規制や持続可能性の問題が依然として課題となっています。Kalshi、Polymarket、Opinion の3社が市場をリードし続けると見られていますが、補助金なしでユーザーを維持できるか、各州の規制にどう対応するかが成長の鍵となりそうです。
また、取引量の水増しが価格形成に影響を及ぼす段階に達すると、システム全体のリスクになるため、今後の動向に注目が集まっています。
今回のレポートからは、予測市場が急速に拡大している一方で、取引の実態やセキュリティ、規制対応といった構造的な課題が見えてきました。これらをどう乗り越えていくのか、業界全体の成熟度が試されるフェーズに入っているのかもしれませんね。引き続きウォッチしていきたいですね!
