みなさん、こんにちは。今回はイタリア・ミラノを拠点とするテック企業「Bending Spoons(ベンディング・スプーンズ)」についての最新情報をお伝えします。
Bending Spoonsの共同創業者たちが億万長者に
なんと、Bending Spoonsの4人の共同創業者が億万長者の仲間入りを果たしたそうです。CEOのルカ・フェラーリ氏の持ち株は約14億ドル(約2000億円)相当、他の3人の共同創業者もそれぞれ13億ドル(約1900億円)相当の持ち株を保有していると推定されています。
この評価額は、最近の大規模な資金調達ラウンドが背景にあります。投資家から2億7,000万ドルの資金を調達し、既存株主による4億4,000万ドルの株式売却も行われました。ただし、共同創業者がこの売却に参加したかどうかは明らかにされていません。
Bending Spoonsとはどんな会社?
Bending Spoonsは、デジタルビジネスを買収し、改善・再構築することを主な事業としています。もともとは自社でアプリ開発をしていましたが、現在は他社の人気ブランドを買い取り、ユーザー体験や技術基盤、収益モデル、組織体制まで大幅に見直すスタイルにシフトしています。
特徴的なのは、買収した企業を長期的に保有し続ける方針で、いわゆるプライベート・エクイティのように短期的に売却して利益を得る形態とは異なります。
また、2020年にはイタリアの公式COVID-19接触追跡アプリ「Immuni」を開発・提供したこともありますが、基本的には買収した既存のサービスを効率化・収益化することに注力しています。
これまでの主な買収とその影響
Bending Spoonsは2014年以降、複数の企業を買収してきましたが、特に注目されたのは2022年以降の動きです。動画・写真編集アプリのFilmicを買収後、スタッフ全員を解雇したり、ノートアプリのEvernoteを買収後に大幅な人員削減や無料プランの制限を行ったりと、ユーザーにとっては賛否両論の変化もありました。
2024年にはコミュニティプラットフォームのMeetupやファイル転送サービスのWeTransferなどを次々に買収し、WeTransferではスタッフ削減や無料プランの厳格化が実施されました。さらに動画プラットフォームBrightcoveの買収も発表しています。
2025年にはアウトドア向けルートプランナーのKomootや管理ソフトのHarvestを買収し、さらに動画配信サービスVimeoやインターネット老舗ブランドのAOLの買収も計画中です。これらの買収は年内に完了する見込みで、AOLは世界でトップ10に入るメールサービスとして8百万のデイリーアクティブユーザーを持っています。
Bending Spoonsの現在の価値と今後の展望
2025年10月時点で、Bending Spoonsはヨーロッパの数少ない「デカコーン」(評価額100億ドル超えの企業)の一つとなっています。2024年の資金調達では28億ドルの評価額がつき、今後の買収やAI技術への投資に充てる予定です。
また、ミラノ本社を中心にロンドン、マドリード、ワルシャワのオフィスやリモート勤務も可能な体制で人材を積極的に採用しており、2025年だけで60万人以上の応募があったとのことです。
今後もBending Spoonsは、より知名度の高いブランドを買収し、デジタル製品のポートフォリオを拡大していく計画のようです。
Bending Spoonsは、あまり表に出てこないものの、私たちが日常的に使うサービスの裏側で大きな動きを見せている企業と言えそうです。買収後の大幅な組織再編やサービス変更は賛否が分かれますが、彼らの動向は今後のデジタル業界のトレンドを知る上で注目に値しますね。引き続きウォッチしていきたいですね!
