イーサリアム 新ファイナリティ提案の全貌

みなさん、こんにちは。今回はイーサリアムの共同創設者、ヴィタリック・ブテリン氏が提案している重要なアップデートについてお話しします。

イーサリアムのファイナリティ機構が大きく変わる?

ヴィタリック氏は、現在イーサリアムで使われている「Casper FFG」というファイナリティ(最終確定)機構を、「Minimmit」という新しい方式に置き換えることを提案しています。Casper FFGは、ブロックの正当性を2回の承認ラウンドで確認する仕組みで、最大で33%の悪意あるバリデーターに耐えられる設計です。

一方、Minimmitは承認を1回のラウンドで済ませるため、処理が速くシンプルになりますが、耐障害性は17%に下がるというトレードオフがあります。

耐障害性を下げてでも重視する「検閲耐性」

一見すると耐障害性が下がるのはデメリットに思えますが、ヴィタリック氏は「現実世界で最も怖い攻撃はファイナリティの巻き戻しではなく、検閲だ」と指摘しています。ファイナリティの巻き戻しは、チェーン上で明確な証拠が残り、大量のETHが没収されるため経済的に非合理的ですが、検閲はユーザーや開発者が社会的な調整や政治的な対立に巻き込まれる厄介な問題です。

Minimmitでは、悪意ある攻撃者が不正な履歴を一方的に確定させるために必要なステークの割合が67%から83%に引き上げられ、検閲に対する耐性が強化されるとされています。これにより、ネットワークが「2つのチェーンが対立する」状況に陥る可能性が高まりますが、これは混乱は生じるものの修正可能な状態だと考えられています。

ETH価格約2,000ドルのタイミングでの提案

この議論が出てきた背景には、ETHの価格が約2,000ドル前後で推移し、以前の高値4,900ドルから大きく下落していることがあります。市場は単なる物語や期待だけでなく、実際のユーザー体験や技術的な進化を重視し始めています。

Minimmitの導入により、イーサリアムはトランザクションの最終確定までの時間を大幅に短縮し、数秒以内に「確定した」とユーザーが実感できるレベルを目指しています。これが実現すれば、イーサリアムは単にDeFiやロールアップのエコシステムで競うだけでなく、「どれだけ速く確実に取引が完了するか」というシンプルかつ重要な価値で他のレイヤー1チェーンと差別化できる可能性があります。

今回の提案は単なる技術的な調整にとどまらず、イーサリアムの価値をユーザー体験に根ざしたものに再定義しようとする試みとも言えそうです。

個人的には、耐障害性を犠牲にしてでも検閲耐性を高めるという考え方は、現実的なネットワーク運用を考えたときに興味深いアプローチだと感じます。今後の議論や実装の動向を引き続きウォッチしていきたいですね!