宇宙 労働 と 資源 問題 の 未来展望
みなさん、こんにちは。今回は宇宙開発の未来について、最近の興味深い話題をお届けします。
宇宙で働く人々の未来予想
先日、イタリアのテックカンファレンスで、アマゾンやブルーオリジンの創業者ジェフ・ベゾス氏が「今後数十年で何百万人もの人が宇宙に住むようになる」と予測しました。彼の考えでは、宇宙での作業はロボットが担う方がコスト効率が良いため、人は「自分の意思で」宇宙に行くことになるだろうということです。
しかし、サンフランシスコの TechCrunch Disrupt で宇宙製造スタートアップ Varda Space Industries の創業者ウィル・ブルーイ氏は、15~20年以内に「労働者階級の人間を1か月間軌道上に送る方が、より良い機械を開発するより安くなる」と予測しました。つまり、ロボットではなく人間が宇宙で働く時代が来るかもしれないというのです。
宇宙での労働環境と倫理の問題
この話を受けて、ウェズリアン大学の社会科学学部長で宗教・科学技術研究のメアリー・ジェーン・ルーベンシュタイン教授に話を聞きました。彼女は宇宙拡大の倫理についても研究しており、宇宙で働く人々の労働環境に大きな懸念を示しています。
教授は「地球上でも労働者は生活費や安全、保険の問題に苦労しているのに、宇宙では雇用主に依存する度合いがさらに強くなる」と指摘。宇宙は空気も水も食料もない過酷な環境であり、「宇宙は決して快適な場所ではない」と強調しました。
宇宙資源の所有権問題
さらに、宇宙資源の所有権も大きな問題です。1967年の「宇宙条約」では、月や火星などの天体はどの国も主権を主張できないと定められていますが、2015年のアメリカの法律では「天体そのものは所有できないが、そこから採取した資源は所有できる」としています。
ルーベンシュタイン教授はこれを「家は所有できないが、その中の床板や梁は所有できるようなもの」と例え、天体とその資源の区別が曖昧であることを問題視しています。
この法律を受けて、アメリカの企業は小惑星採掘や月のヘリウム3採取などに動いていますが、資源は有限であり、国際的な摩擦も生まれています。国連の宇宙平和利用委員会ではロシアやベルギーが懸念を表明し、アメリカは2020年に「アルテミス協定」を結び、同盟国と宇宙資源の扱いを協議していますが、中国やロシアは参加していません。
宇宙開発の未来と私たちの選択
教授は、現在の宇宙開発が「資源の征服と搾取」に偏っていることを批判し、SFのジャンルに例えて3つのタイプを紹介しています。征服を描くもの、警告としてのディストピアもの、そして新しい社会の可能性を探るスペキュレイティブ・フィクションです。今の宇宙開発は征服型に偏っており、もっと倫理的で協調的なアプローチが求められていると述べています。
また、宇宙ゴミ問題にも触れ、地球周回軌道に4万個以上の追跡可能な物体が高速で飛び交い、衝突連鎖が起きる「ケスラー効果」のリスクが高まっていることを指摘。これは全ての関係者にとって避けたい問題であり、教授は学者やNASA、業界関係者が集まる年次会議の開催を提案しています。
ただし、現状ではアメリカ議会が中国との協力を制限する法律を強化しようとしており、国際協調の道はまだ遠いようです。
宇宙での人間の労働や資源利用、そして国際的なルール作りは、これからの数十年で大きな課題になりそうです。技術の進歩だけでなく、倫理や法制度の整備も同時に進めていく必要があるのかもしれませんね。引き続きウォッチしていきたいですね!
