
- ブラックストーンの元ディールメーカーであるチン・チュー氏と、テザーの共同創業者であるリーブ・コリンズ氏が支援する特別買収目的会社が、上場する暗号資産トレジャリー会社を設立する目的で10億ドルの資金調達を計画している。
- この会社は、ビットコインやイーサリアム、ソラナを含む複数のトークンを購入する予定だ。
- この会社を率いるのはハット8マイニングの元CEOであるジェイミー・レバートン氏になる予定で、ウィルバー・ロス氏とガブリエル・アベド氏が副会長を務めることになる。
資産運用会社ブラックストーン(Blackstone)の元ディールメーカーであるチン・チュー(Chinh Chu)氏と、テザー(Tether)の共同創業者であるリーブ・コリンズ(Reeve Collins)氏が支援するSPAC(特別買収目的会社)が、上場する暗号資産(仮想通貨)トレジャリー(財務)会社を設立する目的で10億ドル(約1450億円、1ドル145円換算)の資金調達を計画している。ブルームバーグ(Bloomberg)が関係筋の話として報じた。
このSPACであるM3-Brigade Acquisition Vは、社名を変更し、調達した資金をビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)を含むトークンのバスケットの購入に充てる計画だ。
この動きは、世界各地の上場企業が暗号資産をトレジャリー資産として追加しようと急ぐ中で起きたものだ。しかし、多くの企業は時価総額で最大の暗号資産であるビットコインのみに焦点を当てている。そうした企業の中で、著名投資家アンソニー・ポンプリアーノ(Anthony Pompliano)氏が率いるプロキャップ・ビットコイン(ProCap BTC)は今週、SPACを通じて上場し、ビットコインを大量購入する計画を発表した。複数のトークンを保有する企業は珍しく、M3-Brigadeはその先駆けとなるだろう。
ハット8マイニング(Hut 8 Mining)の元CEOであるジェイミー・レバートン(Jaime Leverton)氏がM3-Brigadeを率いることになる。米商務長官を務めたウィルバー・ロス(Wilbur Ross)氏と、カリブ海諸国バルバドスの元駐アラブ首長国連邦(UAE)大使で現在はバイナンス(Binance)取締役会会長を務めるガブリエル・アベド(Gabriel Abed)氏が副会長を務める。
キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)も顧問を務めており、資金調達目標とトークン構成はまだ変更される可能性があるとブルームバーグは報じている。
単一トークン戦略を採用している大手企業としては、ビットコインに注力するストラテジー(Strategy)やメタプラネットが挙げられる。他の単一トークン企業はアルトコインの活用を検討しており、例えばシャープリンク・ゲーミング(SharpLink Gaming)はイーサリアムを蓄積し、ナノ・ラボ(Nano Labs)はビルドアンドビルド(BNB)に積極的に投資している。
M3-Brigadeの株価は、25日にこの計画が報じられた後12%下落したが、直近ではプレマーケット取引で5%上昇した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Amina Atar/Unsplash
|原文:Ex-Blackstone, Tether Execs Seek $1B to Build Multitoken Crypto Treasury: Bloomberg