
今週の週次レポート
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は戻りを試す展開となり、8日正午時点で、1720万円周辺で推移している。
1日の米雇用統計が下振れたことに加え、直近2カ月の雇用者数が大幅に下方修正されたことを受け、先週のBTC円は1700万円台中盤から一時1650万円近辺まで下落していた。
週明けは1700万円を窺う展開で始まるも、決定的な材料に欠けるなか、小動きが続いたが、5日に全米供給管理協会(ISM)が発表した非製造業PMIが下振れると、景気後退懸念が相場の重石となり、1660万円まで下落した。
一方、この日はトランプ大統領が、8日に退任するクグラーFRB理事の後任を今週中に指名するとしたほか、国家経済会議委員長でトランプ政権の上級顧問を務めるハセット氏が次期FRB議長になる可能性が浮上し、BTCは切り返した。
FRB人事のハト派傾斜による利下げ期待で、6日の相場は1700万円まで戻すと、7日にはトランプ大統領が401(k)でビットコインを含むオルタナティブ資産への投資を許可する大統領令に署名する見通しと報じられ、BTCは1700万円の上抜けに成功。さらにこの日は、ビットコイン推進派のスティーブン・ミラン氏がクグラーFRB理事の後任として指名されたほか、7月のFOMCで金利据え置きに反対票を投じたウォラーFRB理事が、次期FRB議長の最有力候補として浮上したことも相場の支援となり、1730万円まで水準を戻した。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成
7月の雇用統計を受けてFRBによる9月の利下げ期待が台頭した反面、労働市場失速による景気後退懸念も浮上し、先週末は下値を広げる展開となったBTCだが、今週はFRBの人事変更に加えて、複数のFRB高官から年内の利下げを意識させる発言があり、相場は先週の下げ幅を縮小している。
今月1日からは米国の現物ビットコインETFから3営業日連続で資金の流出が確認されたが、6日からは資金流入が戻ってきており、市場心理も相応に回復したと言えよう。
一方、来週は7月の消費者物価指数(CPI)などのインフレ指標の発表を控えており、市場の利下げ期待に冷水を浴びせる可能性に注意したい。雇用統計の結果を受けてただでさえ景気への懸念に市場が神経質になっているだけに、インフレの加速が示唆されればスタグフレーション懸念が浮上する恐れがある。
また、先月はCPI発表前にポジション調整的な売りが入っていたことから、週明けからBTC相場の上値は重くなってもおかしくない。
市場予想では、CPIは前年比で6月の+2.7%から+2.8%と若干の加速が予想されており、下振れサプライズがない限り来週のBTC相場の上値余地は限定されそうだ。
目先では、テクニカル的な安心感やETFフローの回復で先週の下げ幅をさらに縮小する余地もあるとみているが、高値保ち合いの抵抗帯となっていた11万9000ドル〜12万ドルエリア(約1751万円〜1766万円)が引き続き相場のレジスタンスとなるだろう。
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