暗号資産取引テック企業タロス、データプラットフォームのコイン・メトリクスを150億円超で買収へ

暗号資産取引テック企業タロス、データプラットフォームのコイン・メトリクスを150億円超で買収へ
  • 暗号資産(仮想通貨)取引テクノロジー企業タロス(Talos)が、コイン・メトリクス(Coin Metrics)を1億ドルを超える金額で買収する方針だと、事情に詳しい関係者が明らかにした。
  • この買収により、タロスの取引執行およびポートフォリオ管理インフラと、コイン・メトリクスのブロックチェーン分析、市場データ、インデックス製品が統合されることになる。

デジタル資産に特化した機関投資家向け取引テクノロジーを提供するタロスが、暗号資産データ企業コイン・メトリクスを1億ドル(約148億円、1ドル=148円換算)を超える取引で買収する見込みだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。

この買収により、タロスの取引執行およびポートフォリオ管理インフラと、コイン・メトリクスのブロックチェーン分析、市場データ、インデックス製品が統合される。これによって、両社が「デジタル資産向け業界初の完全統合型データと投資管理プラットフォーム」と主張するサービスが誕生すると、タロスは7月16日に発表したプレスリリースで説明した。

この買収は、タロス史上最大の買収案件となる。同社はM&Aを通じて事業拡大を積極的に進めており、過去にはCloudwall、Skolem、D3X Systemsの買収を実施してきた。

デジタル資産インフラ分野における業界再編のトレンドが、今回の買収でさらに明確になっている。この背景には、プラットフォーム各社が暗号資産市場に参入する伝統的金融企業に、エンドツーエンドのソリューションを提供することで差別化を図ろうとしている動きがある。

タロスとコイン・メトリクスは、強力な機関投資家顧客基盤を共有しており、今回の統合により、高度なポートフォリオ分析やリスク評価から執行、パフォーマンスベンチマークまで、データ駆動型のワークフローが効率化される見込みである。

「我々のプラットフォームを統合することで、両社の顧客に利益をもたらす完全統合型のワンストップソリューションを創出する」と、タロスの共同創業者兼CEOであるアントン・カッツ(Anton Katz)氏はリリースで述べ、次のように続けた。

「機関投資家はますます、取引やポートフォリオ管理から市場データ、オンチェーン分析、ポートフォリオ構築まで、デジタル資産投資のライフサイクル全体のサポートを求めている。我々のチームとテクノロジーを統合することで、顧客にとって大幅に強化された独自の強力なプラットフォームを提供できる」。

ニューヨークに本社を置くタロスは、ロンドン、キプロス、シンガポールにオフィスを構え、32カ国で事業を展開している。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Trading Technology Firm Talos to Buy Data Platform Coin Metrics for Over $100M: Source