
- ビットコインは11万8300ドル付近で推移し、週間では6.6%上昇した。アメリカの消費者物価指数(CPI)の上昇鈍化を受け、投資家の神経が和らいでいるようだ。
- アメリカのビットコイン現物ETFは10日連続で純流入を記録し、ブラックロックのIBITが7億6300万ドルの流入でトップとなった。
- アナリストの間ではビットコインの勢いについて意見が分かれており、ETFへの流入とマクロ経済要因を背景に、第3四半期までに15万ドルまで上昇すると予測するアナリストもいる。
ビットコイン(BTC)は11万8300ドル付近で推移し、週間では6.6%上昇した。これは、6月のアメリカの消費者物価指数(CPI)発表を受けて投資家の神経が落ち着く一方で、ETF(上場投資信託)を通じた資金流入が継続していることが背景にある。イーサリアム(ETH)は、過去最高値へのブレイクアウトを期待する声が多く、注目が集まっている。
最大の暗号資産(仮想通貨)であるBTCは11万8300ドル付近で推移し、日足では0.4%の小幅な上昇、週間では6.5%の上昇となった。ETHは3340ドルを上回り、過去24時間で6.7%、7日間で20.5%上昇した。エックス・アール・ピー(XRP)は高騰を続け、日足では6.4%上昇の3.09ドルとなり、週間では27%の上昇となった。
ソラナ(SOL)は5%上昇の170ドル、ドージコイン(DOGE)は6%上昇し、20セント強で取引されている。バイナンスコイン(BNB)は3%近く上昇して708ドル、トロン(TRX)は3.7%上昇して31セントとなった。
市場全体はリスクオンの姿勢を維持しており、ETFへの楽観的な見方の継続とマクロ経済環境の緩和を受け、2日連続で上昇した。
アメリカのビットコイン現物ETFは7月16日に7億9900万ドル(約1198億5000万円、1ドル=150円換算)の純流入を記録し、10日連続の純流入となった。ブラックロック(BlackRock)のIBITが7億6300万ドル(約1144億5000万円)でトップだった。
マクロ経済の動向は、伝統的な市場にも波及した。投資家が利下げのタイミングを再考したことでアジア株は下落し、ゴールド(金)は小幅上昇、ドルは軟調に推移し、暗号資産の上昇をさらに支えた。米国株は、関税懸念の重しを受け、夏を控えて投資家が様子見姿勢を強めたことから小幅安となった。
重要なのは、ドル指数(DXY)が年初来で約10%下落しており、ドル建て暗号資産と幅広いリスク資産の両方に大きなサポートを提供していることだ。利益確定と新規需要の綱引きの中で、アナリストの見解は分かれている。
QCPキャピタル(QCP Capital)のトレーダーは16日のレポートで、ビットコインの勢いは12万ドルを突破した後、一時的に失速し、11万4000ドルから11万8000ドルの間にサポートゾーンが形成され、そこから押し目買いが再び現れ始めたと述べている。彼らは、季節的な取引の減速と株式市場の疲弊がさらなる上昇を阻害する可能性があると警告した。
それでも、強気派は後退していない。ビットゲット・リサーチ(Bitget Research)のチーフアナリストであるライアン・リー(Ryan Lee)氏は、CoinDeskへのレポートで強気の見方を維持した。
「ETFの流入、供給制約、そしてドル安やアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの可能性といったマクロ経済の追い風によって、第3四半期までに15万ドルに到達する道筋はますます現実味を帯びてきている」と同氏は述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether Traders Eye Record Highs as ETH Jumps 8%; Bitcoin, BNB, SOL See Profit-Taking