円建て ステーブルコイン の未来と課題解説
みなさん、こんにちは。今回は2026年4月21日に東京・日本橋で開催された「第9回 BCCC Collaborative Day」の内容をわかりやすく解説します。テーマは「この10年の Web3 と次の10年」。特にステーブルコインの現状と将来展望に焦点が当てられ、業界のキーパーソンたちが熱い議論を交わしました。
円建てステーブルコインの重要性とは?
まず、BCCC設立10周年を迎えた節目で、代表理事の平野洋一郎氏と副代表理事の岡部典孝氏がステーブルコインの現状と円建てステーブルコインの意義について語りました。
平野氏は、ビットコインの創始者サトシ・ナカモトが目指した「ピア・ツー・ピアのキャッシュシステム」という観点から、ステーブルコインはまさにその理想に近づいていると指摘。今回の法改正で暗号資産が金融商品として位置づけられたことも大きなポイントです。
岡部氏は、ブロックチェーンゲームやNFTの発展にはステーブルコインが不可欠であり、AIの進化や政策面でもステーブルコインが中心的な役割を担っていると話しました。JPYCは本人確認なしで誰でも自由に使える円建てステーブルコインとして、今後も注目されています。
また、平野氏はドル建てステーブルコインが市場の99%を占める中で、円建てステーブルコインの普及は日本円の国際的な存在感を守る意味でも重要だと強調しました。
ステーブルコインの活用シーンと企業導入の課題
JPYCの利用は個人から企業まで広がっています。岡部氏はLINEのウォレット機能「ユニファイ」との連携で、ウォレットアプリを別途インストールしなくても使えるようになることや、AIエージェントと連携した自動決済の未来を語りました。
一方で企業導入には、ガス代(取引手数料)、秘密鍵管理、監査対応、既存の会計システムとの連携などの課題もあります。平野氏はこれらを解決するために「JPYCゲートウェイ」という企業向け支援サービスを提供し、既存のシステムと連携して送金や入金の自動化を目指していると説明しました。
特に国際送金のスピード改善は大きなメリットで、従来のSWIFTネットワークでは決済に数日かかるところを、ステーブルコインなら即時決済が可能。これにより中小企業の資金効率が大幅に向上する可能性があります。
アステリアのJPYC保有とその意味
平野氏は自社のキャッシュの約3分の1をJPYCで保有すると宣言しました。法律上、JPYCは現金と同等とされており、もし日本の上場企業全体が同様にステーブルコインを保有すれば、200兆円規模の市場が形成される可能性があるとのこと。これはネットワーク効果を生み、国内外での利用拡大につながると期待されています。
2035年に向けたステーブルコインの展望
平野氏は、PayPayやSuicaのような既存の決済サービスは日本円の「フロント」部分であり、ステーブルコインはその基盤となる「レイヤー」に位置づけられると説明。AIエージェントが24時間自律的に少額決済を行う未来では、銀行決済は非効率であり、ステーブルコインが主役になると予想しています。
岡部氏も、AIが価格を決めて人間がそれを見守るような大規模な取引が増えると予測し、トークン化預金との違いにも触れました。トークン化預金は銀行口座保有者間の利便性が高い一方、ステーブルコインは口座を持たない人や外国人、AIにも送金可能であり、国際競争の観点からも重要な存在になると警鐘を鳴らしました。
ブロックチェーン技術との向き合い方
最後に平野氏は、BCCCの会員数がピーク時の約300社から200社を割っている現状に触れつつ、技術者だけでなく現場の人が業務にどう活かすかを考えられる時代になったと呼びかけました。今こそブロックチェーンを真剣に見直すタイミングかもしれません。
今回の議論からは、円建てステーブルコインが日本の金融インフラや国際競争力にとって重要な役割を果たしつつあることが感じられます。AIやトークン化預金との連携も視野に入れ、これからの10年でどのように進化していくのか、引き続きウォッチしていきたいですね!
