ストラテジー社の信用格付け「B−」解説
みなさん、こんにちは。今回はビットコインを大量に保有する企業、ストラテジー社に関する最新の信用格付けについてお話しします。
ストラテジー社に「B−」の信用格付け、投資不適格の評価
大手格付け機関の S&P グローバル・レーティングが、マイケル・セイラー氏が率いるビットコイン・トレジャリー企業「ストラテジー」に対して「B−」という信用格付けを付けました。この評価は「投資不適格」、いわゆるジャンクボンドに分類される水準です。ただし、S&P は同社の見通しを「安定的」と評価しています。
ビットコインへの依存度とドル流動性の課題
S&P はストラテジー社のビジネスモデルについて、ビットコインへの集中度が非常に高いことや、事業の幅が狭いこと、リスク調整後の資本が弱いこと、そしてドル建ての流動性が低い点を懸念材料として挙げています。ストラテジー社は約64万8,000 BTCを保有しており、これらは株式や社債の発行で調達した資金で購入されています。
また、同社はドル建ての負債を抱えている一方で、ドル資産の多くは損益分岐点付近で運営されているソフトウェア事業に使われているため、通貨のミスマッチが構造的に存在していると指摘されています。
ビットコイン・トレジャリー企業として初の格付け
今回の格付けは、ビットコインを大量保有する企業に対して S&P が初めて行ったもので、伝統的な金融機関がビットコイン中心のビジネスの信用リスクを評価する新たな基準ができたと言えそうです。
ちなみに、この「B−」の評価は、分散型ステーブルコイン発行体のスカイ・プロトコル(旧メーカーダオ)と同じ水準です。スカイ・プロトコルは預金者の集中やガバナンスの中央集権性、資本力の弱さが評価の理由でした。
ストラテジー社がジャンク債の区分から脱するには、6段階も格上げして「BBB−」に到達する必要があります。
今後の格上げの可能性とリスク
S&P は今後12カ月以内の格上げの可能性は低いとしつつも、ドル流動性の改善や転換社債の削減、資本市場へのアクセスが維持できれば格上げを検討する可能性があるとしています。
一方で、ビットコイン価格が急落したタイミングで転換社債の償還期を迎えると、低価格でビットコインを売却せざるを得ないリスクも指摘されています。また、資本市場での資金調達力が落ちれば、さらなる格下げの可能性もあるとのことです。
今回の格付けは、ビットコインを大量に保有する企業の信用リスクを伝統的な金融機関がどう評価するかの一つの指標になりそうです。ビットコインの価格変動や企業の資金調達状況が今後の信用評価に大きく影響しそうなので、引き続きウォッチしていきたいですね!
