ビットコイン相場 今週の地政学リスク分析

みなさん、こんにちは。今回は国内大手取引所 bitbank のアナリスト、長谷川友哉さんによる今週のビットコイン(BTC)相場の分析レポートをわかりやすくお伝えします。

ビットコインのオンチェーンデータ

まずはビットコインの取引数やアクティブアドレス数といったオンチェーンデータの動きをチェックしてみましょう。これらのデータはビットコインネットワークの利用状況を示す重要な指標です。取引数が増えれば活発な取引が行われていることを意味し、アクティブアドレス数の増減はユーザーの参加度合いを表します。

今週のデータを見ると、日次・月次ともに一定の取引数とアクティブアドレス数が維持されており、ネットワークの利用は安定している様子がうかがえます。

今週のビットコイン相場の動きと背景

4月3日時点で、BTC 対円相場はおよそ 1050 万円から 1090 万円のレンジで推移し、1070 万円前後で落ち着いています。

週の初めは米国とイランの協議進展への期待や停戦観測が広がり、リスク選好のムードが高まったことでビットコインは底堅く推移しました。ただ、3月31日に量子計算に関するニュースが一時的に警戒感を呼びましたが、価格の下落は限定的でした。

その後、米国株の上昇に連動してビットコインも上昇し、4月1日には一時 1090 万円台に達しました。しかし、カタール沖でのタンカー被弾事件を受けて原油価格が上昇し、地政学リスクが再燃。トランプ前大統領の演説で中東情勢の不透明感が強まるとリスク回避の売りが優勢となり、4月2日には 1060 万円台まで反落しました。

その後はホルムズ海峡の安全確保に向けた動きが原油価格の上昇を一服させ、現在は 1060 万円台後半でのもみ合いが続いています。

来週の展望と注目ポイント

来週も中東情勢がビットコイン相場に大きな影響を与えそうです。特に米国がイランに対する軍事行動の期限とされる 4月6日が近づく中、停戦協議の進展が最大の焦点となります。トランプ氏は協議の進展を主張しつつも、追加の軍事攻撃も警告しており、緊張感が高まる可能性があります。

もし米国がイランのエネルギーインフラを攻撃したり地上戦に踏み切った場合、原油価格が急騰しリスクオフムードが強まることでビットコイン価格は下押しされる可能性が高いです。

一方で、オマーンとイランによる海峡監視ルールの策定や限定的な通行確保の取り組みが進めば、原油価格の制御不能な高騰は避けられるかもしれません。

また、米国の3月の経済指標も注目材料です。特に雇用統計の結果次第では景気後退懸念やスタグフレーション(景気停滞と物価上昇の同時進行)懸念が強まり、リスク資産に逆風となる可能性があります。4月10日の消費者物価指数(CPI)も同様に重要です。

これらを踏まえると、地政学リスクの悪化を織り込みつつビットコインは軟調な展開が続く可能性が高いと見られます。軍事衝突の激化やスタグフレーション懸念が同時に進行すれば、現在の価格帯を大きく下回るリスクもありますが、停戦協議の進展や良好な経済指標があれば 1100 万円台回復の可能性も残されています。

今回のレポートは、ビットコインの価格動向が地政学リスクや経済指標に大きく左右されていることを示しており、今後もこれらのニュースに注目していく必要がありそうです。

引き続きウォッチしていきたいですね!