トークン化市場 2030年に10兆ドル超へ!
みなさん、こんにちは。今回は、金融インフラ大手のブロードリッジ社のAI責任者兼CTOであるロジャー・バークハート氏が、日本経済新聞社と金融庁が主催した金融カンファレンス「FIN/SUM NEXT 2026」で語った内容についてお伝えします。
トークン化市場の将来展望
バークハート氏は、資産のデジタル証券化であるトークン化市場が2030年までに10兆〜16兆ドル規模に成長すると予測しています。この見通しは、2025年に同社が実施した調査に基づくもので、特にプライベートマーケットや米国債、ファンドが成長の牽引役になると考えられています。
また、日本では2025年6月までの1年間で暗号資産を保有する個人投資家が120%増加し、約1,200万人に達したことも紹介されました。オンチェーン資産の総価値も同じ期間で120%上昇しており、暗号資産の普及が進んでいる様子がうかがえます。
ブロードリッジ社は2018年頃からトークン化に取り組んでおり、日本の大手銀行にバックオフィスのソリューションを提供しています。グローバルでは1日あたり約10兆ドルの取引を処理しているとのことです。
日本の規制環境と実用化の課題
バークハート氏は日本の規制環境を高く評価しています。特に、暗号資産の規制が資金決済法から金融商品取引法へ移行し、相場操縦の禁止など証券規制に準じた投資家保護が導入される点を重要視しています。これは投資家にとって安心材料となりそうです。
さらに、香港やシンガポールもステーブルコインの規制整備を進めていますが、日本はこの分野で国際的に先行していると評価されました。
具体的なユースケースとしては、ファンドのトークン化、不動産投資の小口化、そしてレポ取引の効率化が挙げられています。特に不動産の小口化は、これまで機関投資家向けだった市場に個人投資家が参加できるようになる点が注目されています。また、レポ取引のトークン化により、日中の特定時間帯に限定した資金調達が可能となり、コスト削減が期待されています。
一方で、普及に向けてはテクノロジーやセキュリティの課題、さらにコンプライアンスや法務、リスク管理部門の理解が不可欠だと指摘。段階的に経験を積みながら、まずは業務効率化など実務的なユースケースから取り組むことが重要だと述べています。
最後に、日本政府の「貯蓄から投資へ」という方針とトークン化の親和性に触れ、「この会場の皆さんと共にその実現に取り組んでいきたい」と締めくくりました。
FIN/SUM NEXT 2026について
FIN/SUM NEXTは「AI×ブロックチェーンが創る新金融エコシステム」をテーマに、日本経済新聞社と金融庁が主催する金融カンファレンスです。今年で10回目を迎え、3月3日から6日にかけて東京・丸ビルを中心に開催されました。シンポジウムやワークショップ、フィンテックスタートアップによるピッチイベントなどが行われています。
今回の講演からは、トークン化が金融の未来において大きな役割を果たす可能性があること、そして日本が規制面で国際的にリードしていることが伝わってきました。とはいえ、技術面や法務面での課題もまだ残っているため、慎重に段階を踏んで進めていく必要がありそうです。
引き続きウォッチしていきたいですね!
