ブラックロックが語る 資産トークン化の未来
みなさん、こんにちは。今回は金融大手ブラックロックのトップが語った「資産トークン化」についての話題をお届けします。
トークン化はデジタル金融への架け橋に
ブラックロックの CEO ラリー・フィンク氏と COO ロブ・ゴールドスタイン氏は、資産のトークン化が今後数十年で金融の仕組みを大きく変える可能性があると述べています。実際、現実資産(RWA)のトークン化市場はここ20ヶ月で約3倍に拡大しており、その成長スピードは1990年代のインターネットの普及期に例えられるほどです。
ただし、トークン化がすぐに既存の金融システムを置き換えるわけではなく、従来の金融機関とステーブルコイン発行者やフィンテック、パブリックブロックチェーンといった新しいデジタル主体との「橋渡し」の役割を果たすと考えられています。
将来的には、投資家が株式や債券だけでなく暗号資産も含め、あらゆる資産を一つのデジタルウォレットで管理・取引できる時代が来るかもしれません。
RWA(現実資産)とは?
Real World Asset の略で、不動産やアート、株式や債券など、実際の価値を持つ資産をブロックチェーン上でトークン化したものを指します。ブラックロックのような大手もこの分野に注目しています。
また、規制当局や政策担当者の役割も重要視されており、トークン化市場と伝統的な金融市場が共存・協力できるように、既存のルールをアップデートしつつ安全性を確保する仕組み作りが求められています。例えば、買い手保護やリスク管理、デジタルIDの検証システムなどが挙げられています。
トークン化の大きなメリット2つ
フィンク氏らはトークン化の利点として、まず「取引の即時決済」を挙げています。これが実現すれば、世界中の金融取引が今よりずっとスピーディーになる可能性があります。次に、従来は紙の書類で行われていた取引をコード化できるため、不動産やインフラのような大きな資産を小さな単位に分割して投資しやすくなる点も魅力です。
興味深いのは、トークン化の導入が早いのは銀行サービスが十分でない発展途上国である傾向があること。実際、仮想通貨保有者の約75%は西側諸国以外に住んでいるとも言われています。
現在、トークン化金融のリーダー的存在は米国企業が多いですが、その地位が今後も続くかはまだ分からないとのことです。
ちなみにブラックロックはすでに独自のトークン化商品を展開しており、米国のマネー・マーケット・ファンド「BUIDL」は預かり資産が20億ドル(約3,100億円)を超えています。
日本でもトークン化の動きが活発化しており、11月には「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」が株式や投資信託のオンチェーン化に向けたワーキンググループを立ち上げ、大手証券会社や信託銀行など30社以上が参加しています。
今回の話を聞くと、トークン化は単なる技術の進歩だけでなく、金融のあり方そのものを変える可能性を秘めているように感じます。特に、より多くの人が資産にアクセスしやすくなる点は注目ですね。今後も規制や技術の進展を見守りつつ、どのように実社会に浸透していくのか引き続きウォッチしていきたいですね!
