トランプ政権 2025 年 NSS に見る 仮想通貨の扱い
みなさん、こんにちは。今回はトランプ政権が2025年12月に発表した最新の国家安全保障戦略(NSS)について、特に仮想通貨やブロックチェーンに関する言及がなかった点を中心に解説していきます。
この記事の結論
トランプ政権の2025年版国家安全保障戦略では、AI(人工知能)、バイオテクノロジー、量子コンピューティングが「安全保障上の最重要技術」として強調される一方で、仮想通貨やブロックチェーンには一切触れられていませんでした。選挙期間中に「仮想通貨大統領」を自称し、ビットコイン準備金の創設を公約していたことと比べると大きなギャップがあり、業界では「意図的な沈黙」と受け止められています。これは短期的な規制強化のサインというより、単に優先順位の違いを示している可能性が高いと考えられています。
3つの重要ポイント
- AI・量子・バイオ技術が最重要視され、仮想通貨・ブロックチェーンは完全に除外
デジタル資産は金融システムと密接に関わっているにもかかわらず、NSSの本文には一切登場しませんでした。 - トランプの選挙公約とのギャップが議論に
ビットコイン準備金やマイニングの国内回帰を掲げていたのに、なぜNSSで触れないのか疑問の声が上がっています。 - 市場への影響は限定的で、「優先順位の低さ」と「別枠での議論」を示すサイン
仮想通貨は安全保障戦略の最前線ではなく、金融規制や産業政策の文脈で扱われると見られています。
1. 今回の国家安全保障戦略(NSS)のポイント整理
2025年版NSSは、米国の外交・防衛・経済・技術政策の最上位の指針として位置づけられています。主な焦点は大国間競争の管理と、技術的優位を維持するための重点分野の明確化です。特にAI、量子コンピューティング、バイオテクノロジー、宇宙や先端製造などが挙げられています。これらは軍事や情報戦で即座に影響を与える技術として重視されています。
一方で、仮想通貨やブロックチェーンに関する言及は全文を通じて完全に欠落しており、「暗号資産」「ビットコイン」「ブロックチェーン」といったキーワードは一切登場しませんでした。代わりに「デジタル金融」などの広い概念が使われているのみです。
2. なぜAI・量子技術が優先されたのか
AIはすでに軍事の無人機や情報分析、サイバーセキュリティ、経済の生産性向上など多方面で「安全保障の中核技術」として位置づけられています。トランプ政権は2025年初めにAI関連の規制障壁を撤廃する大統領令も出しており、AIを軸に覇権争いを戦う姿勢を鮮明にしています。
量子コンピューティングは将来的に既存の暗号技術を破る可能性があり、軍事通信や金融ネットワークの安全性に直結するため、ポスト量子暗号の開発も含め国家的な優先課題とされています。
これらの技術は即座に軍事や諜報活動に直結するため、NSSでは優先的に扱われ、仮想通貨は主に金融や産業政策の文脈で重要視されているため、今回の戦略文書からは外されたと考えられます。
3. 仮想通貨・ブロックチェーン「無視」の意味をどう読むか
トランプ大統領は選挙期間中に「仮想通貨大統領」を名乗り、ビットコイン準備金の創設やマイニングの国内回帰を公約していました。そのためNSSで一切触れられなかったことに対しては「不可解」との声もありますが、多くの解説はこれを「意図的な沈黙」と捉えています。
仮想通貨は安全保障上「両刃の剣」とも言われ、資本逃避や制裁回避に使われるリスクがある一方で、金融イノベーションやドル覇権強化に寄与する可能性もあります。立場を明確にすると利害調整が難しいため、NSSには書かずに財務省やSECなどの個別機関に委ねる戦略的な判断と見る向きが強いです。
業界の評価としては、規制強化や全面禁止のシグナルではないものの、爆発的な追い風でもないという中立的な位置づけといえます。つまり現時点では仮想通貨は「最優先の安全保障課題」ではないというメッセージが明確になった形です。
4. 投資家・業界関係者がチェックすべきポイント
仮想通貨に関しては、NSSよりもむしろ金融規制の動向が直接的な影響を持ちます。具体的にはステーブルコイン規制法案やSEC・CFTCの方針、銀行の暗号資産取扱い規制などが重要です。これらの動きを注視することが投資判断には欠かせません。
一方で、AIや量子技術への国家的な投資拡大は、仮想通貨分野にも間接的なプラス効果をもたらす可能性があります。例えばAIの進化はトレーディングやリスク管理の高度化につながり、量子技術の発展はポスト量子暗号の早期実装を促し、暗号資産のプロトコル刷新を後押しするかもしれません。
今後のシナリオとしては、仮想通貨は安全保障の主役ではないものの金融・イノベーション政策の一環として扱われ、規制の整備や緩和が進むベースシナリオが考えられます。ポジティブな場合はホワイトハウスや財務省が明確な支援策を打ち出す可能性もありますが、ネガティブな場合は金融不安定化リスクを理由に規制強化が進むこともあり得ます。
いずれにせよ、NSSに名前が出なかったことだけで極端に判断せず、今後1〜2年の規制や政策の積み上げを注視することが大切です。
まとめ
今回のトランプ政権の国家安全保障戦略は、AI・量子・バイオなど軍事や諜報に直結する技術を最優先課題とし、仮想通貨やブロックチェーンにはあえて言及しないという構図になりました。この沈黙は規制強化の即時シグナルでも爆発的な支援宣言でもなく、単に安全保障戦略上の優先順位がAI・量子にあることを示しています。
今後はデジタル資産に関する金融規制や法案の動向と、AI・量子技術への投資・支援策の両面を追いながら、仮想通貨がどの政策枠組みでどう位置づけられていくのかを見守る必要がありそうです。
引き続きウォッチしていきたいですね!
