
- ビットコインは7月14日、12万3000ドルに迫る水準まで上昇した後に下落した。ドージコイン、カルダノ、ステラルーメンは下落した一方、暗号資産(仮想通貨)関連株のストラテジー(Strategy)、コインベース(Coinbase)、ギャラクシー(Galaxy)は小幅な上昇を維持した。
- 暗号資産投資会社Arca(アルカ)のジェフ・ドーマン(Jeff Dorman)氏は、現在の暗号資産市場の動向は、2024年3月や今年前半の主要な高値時の状況とは程遠いと指摘した。
- 別のアナリストは、ビットコインの時価総額約2兆5000億ドルは最終的に、金の時価総額22兆ドルに近づくと予測した。
ビットコイン(BTC)は7月14日、米国取引時間中に12万3000ドルの目前に迫った後、一時的に下落したが、アナリストは「市場のピークを宣言するのは時期尚早だ」と指摘した。
ビットコインは米国時間午後に12万ドルを割り込み、夜間の上昇分のほとんどを失ったが、過去24時間で0.6%高と、控えめな上昇を維持した。イーサリアム(ETH)は3000ドルを割り込み、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)、ステラルーメン(XLM)は、約2~3%下落した。
主要な暗号資産のうち、エックス・アール・ピー(XRP)、スイ(SUI)、およびユニスワップ(UNI)は、それぞれ2.5%、10%、6%の増加率で他の暗号資産をアウトパフォームした。
暗号資産関連株も午前の上げ幅の一部を戻したが、ストラテジーとギャラクシーは依然として3~4%高を維持し、コインベースは1.5%上昇した。
ビットコインが1週間足らずで10%以上急騰し、一部のアルトコインがさらに大きく上昇したため、一部のトレーダーが値動きを消化し利益を確定させる中で、価格は保ち合い局面に入る可能性がある。
それでも、この暗号資産のラリーは、終盤よりも初期段階である可能性が高いと、デジタル資産投資会社アルカのCIOであるジェフ・ドーマン氏は述べた。
7月14日の投資家向けメモで、ドーマン氏は暗号資産アナリストのウィル・クレメンテ(Will Clemente)氏の指摘を引用し、2024年3月のビットコイン現物ETF関連の高値や、2024年12月/2025年1月のトランプ氏の米大統領選勝利/就任式に伴う熱狂など、過去の主要な高値について言及した。
これらの時期には、アルトコインデリバティブ商品の建玉がビットコインのそれを上回っていた。
「現在のラリーは、そのような頃の水準には程遠い」と、ドーマン氏は指摘した。


中央集権型と分散型取引所の取引高は前週比23%増加したが、過去の大規模な市場ラリー局面における水準にはまだ及んでいないと、ドーマン氏は付け加えた。
全体像を見ると、ビットコインの上昇は、過剰な公的債務と、貨幣インフレから避難しようとする投資家によって後押しを受けていると、欧州を拠点とする暗号資産取引所ビットパンダ(Bitpanda)のCEO、エリック・デムス(Eric Demuth)氏は述べた。
デムス氏は、ビットコインが23万3000ドルに達する「可能性は確かにある」と述べたが、根本的なビットコインの普及が価格目標よりも重要だと強調した。
「ビットコインが主要投資家のポートフォリオ、主権国家の備蓄、グローバル銀行のインフラに永久に組み込まれるようになったらどうなるだろうか?」とデムス氏は問いかけ、次のように続けた。
「まさにそれが今、起こっているのだ」。
デムス氏は、今後数年間でビットコインの時価総額が、現在22兆ドル超えでビットコインの9倍に当たる金(ゴールド)の時価総額に徐々に近づいていくと予想している。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:7月14日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Market Top Is ‘Nowhere Near,’ Say Analysts as Price Pauses at $120K