米国リードのビットコイン戦略と日本の課題
みなさん、こんにちは。今回は日本で開催された「JAPAN BITCOIN FUTURE FORUM」に登壇したJAN3のCEO、サムソン・モウ氏の発言を中心に、ビットコインをめぐる日本とアメリカの現状や課題についてお伝えします。
米国がビットコイン戦略でリード、日本は法整備の遅れに警鐘
モウ氏は、アメリカがビットコイン関連の法整備やETF(上場投資信託)の導入で大きく先行していると指摘しました。特に、アメリカでは政府が5年間で100万BTCを取得することを目標とした「Bitcoin Act」法案が審議されており、ビットコインの保有や管理は米国企業やカストディアンが圧倒的に多い状況です。
一方で日本は、ビットコインETFの整備や政策ロビー活動がまだ十分とは言えず、現行の法整備スケジュールが機会損失につながる可能性があると警鐘を鳴らしています。
日本のビットコイン環境の現状と課題
日本ではメタプラネットなど一部上場企業がビットコインを財務戦略に取り入れ始めており、これは前向きな動きと評価されています。しかし、国内の高い債務対GDP比率やゼロ金利政策が資金を海外のヘッジファンドや金融機関に流出させている構造的な問題も指摘されました。モウ氏は、ビットコインがこうした資金流出の修正に役立つ可能性があると述べています。
ETF整備と主権確保の重要性
税制面で暗号資産の課税が総合課税の50%から20%に引き下げられる見込みはあるものの、モウ氏は「それだけでは不十分」と強調。特に年金基金などの機関投資家にとっては、ETFが現実的なビットコイン投資の手段となるため、早急な整備が求められています。
また、日本独自のETFを持ち、そのビットコインを国内のマルチシグやコールドストレージで管理することが「主権の問題」として重要視されています。JAN3は日本企業と連携し、政策立案者への働きかけを強化しているとのことです。
ビットコイン債(Bitcoin Bond)の仕組み
モウ氏は、ビットコイン債の仕組みも紹介しました。これはエルサルバドルのような新興国向けに設計されたもので、調達資金の半分をビットコインで保有し、5年後に元本を償還する構造です。残りの半分はビットコインマイニングインフラに投資し、クーポン支払いの原資とします。ビットコイン価格が上昇すれば投資家に利益が還元される仕組みで、米国でも類似の「Bit Bond」が検討されています。
ステーブルコインとJPYCの役割
世界の基軸通貨的な役割を持つ米ドル連動のテザー(USDT)が引き続き主流とされる一方で、日本円連動のJPYCのような各国通貨建てステーブルコインも重要視されています。特に国家レベルでビットコインを蓄積する際の調達手段として、国内取引所だけでなくグローバルな取引所での受け入れが進めば、より効率的な資金調達が可能になると指摘されました。
ビットコインの「4年サイクル」崩壊と需給構造の変化
従来のビットコイン価格の「4年サイクル」は崩れつつあり、2024年には半減期前に過去最高値を更新しています。これはETFや企業のトレジャリー保有が日々の採掘量を大幅に上回る需要を生んでいるためです。採掘可能なビットコインの残量も減少しており、価格下落はヘッジファンドのサイクルへの賭けが影響していると分析されています。
モウ氏は、こうした新しい需給構造の中で、Strategyのような組織が下落局面でも大量にビットコインを買い続けている点がこれまでにない特徴だと述べています。
JAPAN BITCOIN FUTURE FORUMについて
このフォーラムはメタプラネットとBitcoin Japanが主催し、2026年3月25日に横浜で開催されました。衆議院議員や業界リーダーが登壇し、ビットコインと日本経済の関係を多角的に議論しています。
今回の話を聞くと、アメリカがビットコインの法整備や戦略で先行している一方、日本も着実に動き始めているものの、まだ課題が多い印象です。特にETFの整備や国内でのビットコイン管理体制の強化は、今後の日本のビットコイン普及にとって重要なポイントになりそうですね。引き続きウォッチしていきたいですね!
