FIN / SUM NEXT 2026 最新AIと暗号資産動向
みなさん、こんにちは。今回は「FIN/SUM NEXT 2026」で行われた、三井物産が中心となるAIとデジタル金融、そして貴金属と暗号資産の未来についてのセッション内容をわかりやすく解説します。
三井物産の不動産デジタル証券「オルタナ」が国内トップに
三井物産デジタル・アセットマネジメントが提供する不動産担保のデジタル証券サービス「オルタナ」は、国内での組成件数が21件とトップクラスに達し、累計販売額は450億円にのぼっています。2020年に設立され、三井物産とLayerXが出資。従業員85名に加え、AIが約20人分の働きをしているという体制で、月に1件の新規案件を3〜5件に増やす計画も示されました。
スマホから機関投資家向けの不動産デジタル証券に投資でき、投資判断にかかる時間は平均約4.8秒と非常にスピーディ。さらに、三井住友信託との合弁会社「オルタナ信託」を設立し、製造から販売まで一貫して手がける「金融版SPA」モデルを構築しています。
AIの活用例としては、数千ページに及ぶ有価証券届出書の審査が3秒で完了するツールの開発や、広告制作物の自動審査などがあり、今後は商品組成の自動化を進めて「金融商品の自動販売機」を目指すとのことです。
また、LayerXの中村CEOは、AIと人間のオペレーターが協働するバックオフィス業務支援のAI基盤「AI Workforce」についても紹介し、顧客企業にエンジニアを深く入り込ませる新しい協業モデルも語られました。
貴金属市場の歴史的高騰と通貨価値の関係
後半のセッションでは、日本貴金属マーケット協会の池水代表理事が、2025年の貴金属市場の急騰を「40年で初めての規模」と振り返りました。ゴールドは約61%、シルバーは170%以上の上昇を記録し、全体的に歴史的な高騰となりました。
この背景には、トランプ政権の関税政策による不安もありますが、池水氏は「ゴールドの価値が上がったのではなく、通貨の価値が下がっている」と指摘。1971年のニクソンショック以降、ゴールド価格は約150倍に上昇してきた歴史的な流れの一部と捉えるべきだと述べました。
楽天ウォレットの山田社長は、2025年のビットコイン相場を「トランプ主導の相場」と表現し、米国での法整備が投資環境の整備を加速させたと説明しています。
金ETFの歴史から見るビットコインETFの今後
2004年に金ETFがニューヨーク市場に上場したことで、年金や機関投資家がゴールドに投資しやすくなり、その後の価格上昇のきっかけとなりました。これを踏まえ、ビットコインETFも2024年の米国上場後、若い世代の個人投資家にも広がりつつあると山田社長は話しています。
日本では現在、暗号資産の法的扱いが資金決済法から金融商品取引法へ移行する法改正が審議中で、2028年1月に税制変更とビットコインETF解禁が見込まれています。ただし、カストディのセキュリティや顧客保護基金の設立など、投資家保護の課題も残っているとのことです。
また、三井物産デジタルコモディティーズが発行する金連動暗号資産「ジパンコイン」は、保有コストがかからず、これまでゴールドに触れたことのない暗号資産ユーザーへのリーチを狙った新しい試みとして紹介されました。
池水氏は、コロナ禍以降、若い世代や女性のゴールド投資家が増えた背景には、円の購買力低下を実感した人々の意識変化があると分析しています。
FIN/SUM NEXT 2026について
FIN/SUM NEXTは「AI×ブロックチェーンが創る新金融エコシステム」をテーマに、日本経済新聞社と金融庁が主催する金融カンファレンスで、今回で10回目。3月3日から6日にかけて東京・丸ビルを中心に開催され、シンポジウムやワークショップ、フィンテックスタートアップのピッチなどが行われました。
今回のセッションからは、AIとデジタル技術を活用した金融サービスの進化や、貴金属と暗号資産の価値の捉え方、そして法整備の動きが見えてきます。特に不動産デジタル証券の「オルタナ」の成長や、ビットコインETFの解禁に向けた日本の動きは注目ポイントと言えそうです。
引き続きウォッチしていきたいですね!
