米 財務省 の 最新 デジタル資産 不正対策 レポート解説
みなさん、こんにちは。今回は、米財務省が発表したデジタル資産の不正対策に関する最新レポートについて解説します。
クラリティ法案と共通する内容も
米財務省は、暗号資産を使ったマネーロンダリングや制裁回避などの違法行為に対抗するための技術や戦略をまとめたレポートを、今月初めに米国議会に提出しました。この動きは、昨年成立した「ジーニアス法」に基づくもので、金融機関が利用できる対策を調査したものです。
興味深いのは、このレポートの内容が、現在審議中の仮想通貨市場構造法案、通称「クラリティ法」と似ている点があること。ギャラクシーリサーチの研究責任者アレックス・ソーン氏は、財務省の勧告がクラリティ法案の一部に影響を与えている可能性を指摘しています。
具体的には、DeFi(分散型金融)におけるマネーロンダリングやテロ資金供与対策(AML/CFT)の義務化が挙げられています。財務省は、どの種類のDeFiプロジェクトがAML/CFTの対象になるかを明確にするよう議会に求めており、その際にはプロジェクトの役割やリスクを考慮すべきだとしています。
また、銀行秘密法の中でデジタル資産に特化した金融機関の種類を明文化し、それに合わせたAML/CFT規定を設けることも提言。これらはクラリティ法案の内容と歩調を合わせている部分です。
ただし、仮想通貨業界からは、DeFiは従来の金融機関のようにユーザー資金や取引情報を管理する主体がいないため、銀行秘密法を適用するのは適切でないという反対意見も根強くあります。
さらに、財務省は「ホールド法」も提案しています。これは、金融機関が不正の疑いがある仮想通貨を一時的に凍結し、調査できるようにするもので、クラリティ法案にも同様の規定が含まれています。企業は裁判所の命令なしに疑わしい資産を凍結できるようになる可能性があります。
不正検知に役立つ4つの技術
レポートでは、不正検知の精度向上や効率化に役立つ技術として、以下の4つを挙げています。
- 人工知能(AI)
- デジタルアイデンティティ
- ブロックチェーン分析
- API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)
AIは、不審な取引パターンの監視や不正事例のレビューの迅速化、不審活動報告の草案作成、さらにはディープフェイク検出などに活用が期待されています。
デジタルアイデンティティは、顧客の本人確認(KYC)を効率化し、なりすまし詐欺の防止に役立つとされています。ブロックチェーン分析は、取引の追跡やリスク評価、高リスクな相手方の特定に使われます。
APIは、異なるシステム間でリアルタイムに情報をやり取りできるようにし、コンプライアンス機能の自動化や統合の基盤として重要な役割を果たすと考えられています。
今回のレポートは、デジタル資産の健全な発展と不正防止の両立を目指す米国の取り組みの一端を示していると言えそうです。DeFiのような新しい金融形態に対してどのように規制を適用していくのか、今後の議論の行方が注目されますね。
引き続きウォッチしていきたいですね!
